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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第3章 In Summer







トントトトントン



ハンジの家から戻ってまだ数時間もたっていないのに、ドアをノックする音が響く。

いつもより早い時間に、いつもより小さな音で。
少し不安げに、部屋の中の人間に自身の訪問を告げている。

リヴァイは、ベッドの中から顔を少しだけ出すと、閉じられたドアをジッと見つめた。



トントトトントン



もう一度聞こえる、ノックの音。
そして、震える声。



「リヴァイ、いる?」



それは、レオノアが毎日ドアをノックするようになってから、初めての言葉だった。



「リヴァイ、そこにいる?」



少し掠れている・・・
そんな声を出す時は決まって、大泣きしたあとだ。

レオノア・・・

お前、泣いたのか?
怖い夢を見たのか?

何故、泣いた?


何故・・・


僕はそばにいてやれないんだ・・・



リヴァイは全ての音をシャットアウトするように、頭まで布団を被った。

ドアをノックする音も、レオノアの声も聞きたくなかった。




トントトトントン



“貴方は恐れている”



トントトトントン



“その力で誰かを傷つけてしまうということに”



もし、返事をしてしまったら。
もし、ドアを開けてしまったら。

消してもらえなかった氷の魔法が、妹に牙を剥くかもしれない。


お願いだ・・・



トントトトントン



お願いだから・・・




「うるさい、あっちへ行け!」




僕に君を傷つけさせないで。






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