【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第3章 In Summer
「私は“記憶”を司るレイス家の人間。でも、私にはエレンの中に眠る化け物を抑える力がない・・・」
それができるのは、“力”を司るアレンデール王家の人間だけ。
リヴァイの力が感情に大きく左右されるように、
エレンの中に眠る力も感情に左右される。
リヴァイとエレンが互いを“敵”だと認識したら最後、二人の運命は殺し合うほかにない。
そして、恐らく・・・
僅かにリヴァイの力が勝るだろう。
それだけあの子の魔法は強く、残酷だ。
何故、エレンがそのような定めを背負って生まれたのかは、誰にも分からない。
リヴァイが何故、氷の力を持って生まれたのか、誰にも分からないように。
ただ、それが運命というものだ。
「私にできることは、その時がこないよう、ただ祈るだけ・・・」
だから、エレン・・・
お願いだから・・・リヴァイ王子と出会わないで。
あの子の力を消すことができなかったのは、私にはエレンの中に眠る化け物をどうすることもできないから。
可愛いエレン。
可愛いミカサ。
ごめんなさい・・・
無力な私をどうか許して・・・
懺悔するように床に両ひざをついて項垂れるフリーダ。
ハンジは悲しい瞳をしながら、彼女の背中を撫で続けていた。