【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第3章 In Summer
「アレンデール王。“ユミルの血”を受け継ぐ者は覚醒しております」
その瞬間、王の瞳が絶望の色に変わった。
「まさか・・・そんなことが・・・」
「王子の力を消してしまうことは簡単です。でも、もし・・・“ユミルの血”がアレンデールに牙を剥いたら、もはや王には民を守ることができません」
「・・・・・・・・・・・・」
フリーダはリヴァイの方を向き、フワリと微笑んだ。
しかし、その表情はどこか悲しげでもあった。
「王子・・・貴方は大勢の人間を瞬時に殺す力を持っている。でも・・・同時に、その力は大勢の人間を救うものでもあるの」
「・・・?」
「だから、今はその力をコントロールする術を身に付けなければいけない」
その力を消すということは、アレンデールの滅亡に繋がる。
貴方は人類最強であり・・・人類に許された希望。
「貴方ならきっとできるわ、リヴァイ王子」
その言葉の裏には・・・
力を放棄することは許されない。
運命から逃げ出すことは許されない。
そんな想いが込められていた。
「分かった、フリーダ・・・我々はこの力とともに生きよう」
人類より遥か以前から存在していたという種族。
彼らの持つ力は強大で、人類がどう足掻いても太刀打ちできるものではない。
たった一人・・・
リヴァイを除いて・・・
王は震えながら床に跪くと、我が子を抱きしめた。
「許してくれ、リヴァイ・・・私は王として、お前を救ってやることができない・・・」
「父上・・・?」
「だが、私は父として、お前とともに宿命を受け入れよう」
民のために犠牲となることが王家の宿命。
残酷な父だと思うだろうが、どうかお前を愛しているということだけは分かってくれ。
アレンデール王は今、覚悟を決めた。