• テキストサイズ

【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第3章 In Summer




「アレンデール王。“ユミルの血”を受け継ぐ者は覚醒しております」


その瞬間、王の瞳が絶望の色に変わった。


「まさか・・・そんなことが・・・」

「王子の力を消してしまうことは簡単です。でも、もし・・・“ユミルの血”がアレンデールに牙を剥いたら、もはや王には民を守ることができません」

「・・・・・・・・・・・・」


フリーダはリヴァイの方を向き、フワリと微笑んだ。
しかし、その表情はどこか悲しげでもあった。


「王子・・・貴方は大勢の人間を瞬時に殺す力を持っている。でも・・・同時に、その力は大勢の人間を救うものでもあるの」

「・・・?」

「だから、今はその力をコントロールする術を身に付けなければいけない」


その力を消すということは、アレンデールの滅亡に繋がる。
貴方は人類最強であり・・・人類に許された希望。


「貴方ならきっとできるわ、リヴァイ王子」


その言葉の裏には・・・

力を放棄することは許されない。
運命から逃げ出すことは許されない。

そんな想いが込められていた。


「分かった、フリーダ・・・我々はこの力とともに生きよう」


人類より遥か以前から存在していたという種族。
彼らの持つ力は強大で、人類がどう足掻いても太刀打ちできるものではない。

たった一人・・・

リヴァイを除いて・・・


王は震えながら床に跪くと、我が子を抱きしめた。


「許してくれ、リヴァイ・・・私は王として、お前を救ってやることができない・・・」

「父上・・・?」

「だが、私は父として、お前とともに宿命を受け入れよう」


民のために犠牲となることが王家の宿命。
残酷な父だと思うだろうが、どうかお前を愛しているということだけは分かってくれ。


アレンデール王は今、覚悟を決めた。




/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp