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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第3章 In Summer




広いアレンデール城。
しかし、レオノアの遊び場所はいつも決まっていた。

それは、リヴァイの部屋から望むことができる、ローズガーデン。

ガチョウの親子と戯れたり、本を読んだり、歌を歌ったり。
少女の成長は本当に速く、目で追うだけで精一杯だ。

それでも、毎日少しずつ変わっていくレオノアを窓から眺めるのが、リヴァイは好きだった。

そして、レオノアもまた、兄が見守っていると信じていたから、時間が許す限りローズガーデンで過ごした。

約200種類のバラの間を、ドレスを翻しながら駆け回る王女。
召使の一人に教えてもらったのだろう。
最近は、小鳥たちと一緒にお気に入りの歌を口ずさむことが多い。


いつもあこがれてた 一人塔の中で
外の世界はどんなに すてきか
今夜は星空の下 霧が晴れたように
やっと見つけた 私のいる場所
輝いている 未来照らす光 
夢をかなえた 特別な夜
世界がまるで昨日とは違う
ようやく巡り会えた 大事な人


少し調子っぱずれで、歌詞も曖昧なところがあったが、愛らしい声で歌うレオノアを、リヴァイだけなく、国王や王妃、召使たちも目を細めながら見つめていた。


一人で遊ぶレオノアに、一人で閉じこもるリヴァイ。


妹の笑顔を見ていることができれば、

兄の視線を感じていることができれば、


二人はたとえ友達がいなくても、寂しくはなかった。




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