【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第2章 Do You Wanna Build a Snowman?
裏門から外に出ると、すでに雪はやみ、辺りはガラスのように朝日を反射していた。
一歩踏み出すと、積もった雪はレオノアのふくらはぎまで隠す。
よいしょ、よいしょ、と新雪に足跡を残しながら中庭を目指した。
雪のない季節には色とりどりの薔薇で彩られる、ローズガーデン。
レオノアとリヴァイにとっては秘密の花園で、よくここでかくれんぼをして遊んだ。
「静かだな」
レオノアは城を見上げた。
3階の一番端の窓が、リヴァイの部屋のはず。
しっかりとカーテンが閉じられているが、リヴァイの好きな青色だから間違いない。
一番見えやすい所に腰を落とし、辺りの雪をかき集めた。
「ッしょ、よいしょ」
砂の山を作るように雪を集めても、何かが違う。
オラフには短い足があった。
丸い胴体があった。
小さな胸があった。
いびつな形をした頭があった。
・・・いったい、どうやって作るのだろう。
そういえば、レオノアはリヴァイが雪だるまを作る姿を見たことが無かった。
どうしていたのか分からないが、いつも何もないところからいきなり出していた。
「どうやればいいんだろう・・・?」
小さな腕では、満足に雪玉を作ることすらできない。
手袋をはめていない手は、すぐに真っ赤になった。
それでも四苦八苦して、なんとか雪だるまもどきを作ってみる。
しかしそれは、顔と胴体の区別がつかない、ただの雪の塊となっていた。