【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第2章 Do You Wanna Build a Snowman?
「父上・・・」
もともとは来賓用だったこの部屋。
今はまだ落ち着かないが、きっとそのうちに慣れるだろう。
「ありがとう」
きっと・・・
孤独にも慣れるだろう。
『 力を抑えるのよ・・・“恐れ”が大きな敵となる 』
フリーダの言葉を思い出す。
彼女からは不思議な空気が漂っていた。
レオノアを治した不思議な力だけではない。
何か・・・自分と近いものを感じた。
もしかしたら、彼女も自分と“同じ”なのかもしれない・・・
全てを凍らせる、この魔法の力。
「隠し通せ・・・何も感じるな・・・」
力を恐れてはいけない。
孤独を恐れてはいけない。
自分がここに閉じこもっていれば、少なくともレオノアを傷つけないで済む。
か細い声で呟く息子を、父は強く抱きしめた。
「悟られないように・・・傷つけないように・・・」
それが、自分に定められた生き方。
「父上・・・どうかレオノアを俺に近づけさせないで・・・」
リヴァイは父の腕に抱かれながら、そっと瞳を閉じた。
愛する人を傷つけることほど恐ろしいことはないから・・・
「お願い・・・」
凍り付いていく部屋。
冷たい氷牢の中で、これから生きていく。
そう小さな胸に誓った儚くも優しい我が子を抱きしめる王の瞳には、涙が滲んでいた。