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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第2章 Do You Wanna Build a Snowman?




不意に部屋の扉が開き、父王が供の家来を連れずにやってきた。


「リヴァイ、部屋は気に入ったか?」


この一時間で三度もやってきては、同じ質問を繰り返す。

そしてリヴァイも、その度に父に向かって小さく頷いた。


しかし、この部屋を気に入る事などないだろう。
ここは自分を閉じ込めておく、牢でしかないのだから。

だが、世界で一番安心できる場所であることも確か。

ここでなら、誰も・・・大切な人を、傷つけずに済むからだ。


「・・・リヴァイ・・・」


口を真一文字に閉じ、じっと窓の外を見つめている幼い息子。
アレンデール王は苦痛の表情を悟られぬよう、顔を壁の方に向けた。

レオノアは一日たっても目覚める気配がない。
もう命に危険はないというが、やはり心配でならない。
リヴァイもきっと、すぐにでも様子を確かめに行きたいだろう。
しかし、ハンジの家から戻ってからというもの、一度としてレオノアのそばに寄ろうとはしなかった。

それどころか、妹の名すら口にしようとしない、健気な息子の小さな背中を撫でる。


「リヴァイ・・・お前の力を消す方法は必ずある。それまでの辛抱だ」

「・・・・・・・・・」


表情の乏しい子供ではあった。
しかし、今のリヴァイは氷のように、一切の感情を表に出さない。
彼に宿る“力”がそうさせているのか、男の子にしては肌も白くなったようだ。

父はそんな息子が憐れで仕方がなかった。

何としてでも、このアレンデール王家にまとわりつく呪いを断ち切らねばならない。


「私の愛するリヴァイ、お前は強い子だ」

「・・・・・・・・・・・・」


窓枠に手を置いているリヴァイの指先から霜が広がっていく。
王はそれに気づかないふりをした。


囚われてはいけない。

恐れてはいけない。


この子の運命は、呪いの力に押しつぶされることではない。
この美しいアレンデールを治め、守ること。


リヴァイ、お前はこの国の王に相応しい。



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