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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第2章 Do You Wanna Build a Snowman?




*§*―――*§*―――*§*―――*§*




時が遡ること、二日。
リヴァイは、レオノアの部屋から一番遠い場所にある一室から、窓の外を眺めていた。

ここは城の中で一番北に位置する部屋。
表門から遠い場所にあり、窓を開けていても城の外の人間に見られる心配はない。


リヴァイはふと部屋の中心に視線を移し、その中央に置いてあるテーブルを見た。

そこには、キルシュタイン夫人が今朝持ってきてくれたパンとミルクが手つかずのまま置いてある。

もしまだ食べていないことを知ったら、躾に厳しい乳母は怒るかもしれない。
それでも、何かを口の中に入れる気にはなれなかった。

それから壁の方に目を向ける。

少しでも居心地が良いようにと、リヴァイの好きな青色に塗り替えられた壁。
窓を覆うカーテンも、氷を思わせるような美しい水色をしている。

どこもかしこも“冷たかった”。
それはきっと・・・


見ているだけで温かい気持ちになる、妹が一緒にいないからだ。



「・・・・・・・・・」

もともと物静かな少年だったが、あの一件以来、リヴァイは声を発することすら少なくなった。


窓から眺めることのできる、裏庭。
椅子を寄せて、その上にヒザをつきながら下を見下ろす。

すると、丁寧に刈られた植木の、綺麗な緑色が目に入ってきた。
木の高い場所に小鳥が巣を作っているのが見える。

レオノアが知ったら、とても喜んだだろう。


『リヴァイ、ヒナがいるよ!』


はしゃぐ可愛い笑顔が目に浮かんでも、心が晴れることはなかった。


今日からこの部屋で人目を避けながら生きていくことになる。


レオノアすらも遠ざけて・・・






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