【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第2章 Do You Wanna Build a Snowman?
この二人の様子を見ていたら、もう二度と兄には会えないかもしれない。
そう思うと酷く悲しくて、リヴァイ恋しさから余計に涙が溢れてきた。
「ひっく・・・ひっく・・・どうして・・・?」
「レオノア、ごめんなさい。」
「私、いい子にしているよ?」
「今はリヴァイに会わせることができないのよ。でも、すぐに会えるようになるわ」
そこまで言う母には、何か特別な理由があるのだろう。
しかし、それを理解するには、レオノアは幼すぎた。
母の腕の中で体を強張らせていると、キルシュタイン夫人が大きなハンカチでレオノアの頬を拭く。
「ほらほら! レディが寝間着姿のままいつまでも廊下にいるものではないですよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「そんなお顔をされていたら、リヴァイ様も父君も心配なさる」
「でも・・・」
「まずはお顔を洗いましょう。今日は何色のドレスにいたしましょうか? 私が一緒に選んで差し上げますよ」
我が儘を言っていたら、リヴァイもおとうさまも心配する。
おかあさまもこんなに悲しそうなお顔をされている。
「・・・うん」
納得がいってないながらも頷いたレオノアに、母はホッとしたような顔をキルシュタイン夫人に向けた。
さすがはリヴァイとレオノアを赤ん坊の頃から育ててきた乳母だ。
「さあ、行きましょう」
しかし、肩を落としながら“一人部屋”に戻っていく我が子の背中を見て、母は流れる涙を止めることはできなかった。
「・・・寂しい思いをさせてごめんなさい、レオノア・・・」
そして・・・
ごめんなさい、リヴァイ。
貴方ばかりに過酷な運命を背負わせてしまって・・・
しばらくして部屋からレオノアの笑い声がようやく聞こえてきても、女王は冷たい廊下でただ一人、体を震わせながら涙していた。