【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第2章 Do You Wanna Build a Snowman?
「大丈夫よ、お母様が一緒に遊んであげましょう。絵本だって好きなだけ読んであげる」
「・・・リヴァイ・・・どこ?」
とても楽しいことがあったはずなのに、思い出せない。
でも、リヴァイに会ったら思い出せるような気がする。
「レオノア、リヴァイはね・・・今は会えないの」
「どうして? お出かけ?」
「お部屋にいるわ。でも、今はだめ。貴方だってまだ治りきっていないのよ」
「どうしてだめなの? リヴァイに会いたい」
「レオノア・・・」
困ったように眉根を寄せる母に、レオノアはなんだか嫌な予感がした。
どうして会ってはいけないなどと言うのだろう。
どうして知らないうちに部屋を別々にされたのだろう。
混乱していると、廊下の向こうから乳母のキルシュタイン夫人が飛んできた。
「レオノア様! お目覚めになったのですね」
「乳母や・・・」
「もう一時はどうなるかと思って、肝を冷やしましたよ」
恰幅の良い乳母は、いつもは口うるさいがとても情の深い人だった。
心からレオノアのことを心配していたのだろう。
しかし、リヴァイの魔法が額に当たってしまったことを記憶から消されたレオノアは、首をかしげるばかり。
「顔色も元に戻って・・・本当に良うございました」
「うん・・・大丈夫。あのね、リヴァイはどこ?」
すると、まるで静電気が走ったかのように、レオノアの体からキルシュタイン夫人の手が離れた。
母も今にも泣き出しそうな顔をしている。
「・・・リヴァイのお部屋はどこ?」
「レオノア様・・・」
キルシュタイン夫人なら連れて行ってくれるかもしれないと淡い期待を抱いていたが、やはり母と同じように困った顔をしただけだった。