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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第1章 Vuelie 〜語り継がれる愛〜



彼女を見た瞬間、心臓の鼓動が速まった。
まるでリヴァイの中に潜んでいる“力”が、そこにいる人物に共鳴しているようだ。
それは彼女にとっても同じようで、大きな瞳を揺らしながらリヴァイを見つめている。

年の頃は18だろうか。
長い黒髪に、美しい顔立ち。
王家の気品すら感じられるその姿と、遠慮のない視線に、リヴァイも彼女から目を逸らすことができなかった。


「貴方が・・・リヴァイ王子・・・」


小さくそう呟いてから、王の方を見て頭を下げる。

「陛下」

その様子に、父は彼女が何者であるかを悟ったらしい。
リヴァイと、レオノアを抱く母を抱き寄せ、すがるような目を向けた。

「レイス家の者だな」
「ロッド・レイスの長女、フリーダと申します。“ごぶさた”しておりました」

まるで旧知の間柄であるかのような話し振りに、リヴァイは困惑した。
レイスなど初めて聞く名だ。
しかし、父は複雑そうに顔をしかめただけで、何かを言う様子はない。

そもそも、どうしてここへ・・・

「娘を・・・娘を助けてくれ。氷のように冷たくなっている」

「はい」

フリーダはそっと頷くと、まずはリヴァイの手を取った。

“凍らせてしまうかもしれない”
そんな不安が襲い、一瞬手を引きかけたが、不思議とフリーダにはリヴァイの魔法が効かないようだった。

「王子の力は生まれつきですか? それとも、呪いですか?」
「生まれつきだ。どんどん強くなっている」

王がそう答えると、フリーダは険しい表情をしたまま、母に抱かれているレオノアの頰を撫でた。
体温を確かめているのか、額、首筋、胸元と順番に手の平を当てる。

そして、小さく溜め息を吐いた。



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