【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第1章 Vuelie 〜語り継がれる愛〜
「エレンはまだ“あの子”に会うべきじゃない。ミカサ、エレンとここで隠れていて」
「なんだよ、それ!」
「いい、絶対に入ってきてはダメよ! 分かったわね?」
「うん、分かった」
返事をしたのはミカサ。
エレンは不満そうにフリーダを睨んでいた。
大人の話に子供が入ってはいけないことくらい分かる。
でも、まるであの一家から逃げなくてはいけないみたいじゃないか。
気に入らない。
「エレン、隠れよう」
「・・・分かった。でも、窓から見てるくらいならいいだろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
するとフリーダは困ったように眉をひそめた。
これから小屋の中ではこの二人に見せたくないことが起きる。
しかし、ダメだと言っても彼らは言うことを聞かないだろう。
小さく溜め息を吐き、そっとエレンの髪を撫でる。
「ええ、貴方達が彼らに見つかりさえしなければ。でも・・・」
少し躊躇っているのか、言葉に詰まる。
次の瞬間、寂しそうな笑顔を浮かべた。
「何を見ても怖がらないで。私は、エレンとミカサ・・・貴方達の味方だからね」
その時のエレンとミカサは、フリーダの心の中を察することができなかった。
しかし数分後、その言葉の意味を目の当たりにすることになる。