【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第1章 Vuelie 〜語り継がれる愛〜
エレンは元々、北の山の麓に父で暮らしていた。
母はエレンが生まれてすぐに死んだという。
その理由を尋ねても、父は眉をひそめるだけで何も教えてはくれなかった。
ミカサが家族に加わったのは数年前。
医者だった父と一緒に、山奥にある家へ往診に行ったそこで・・・
両親を山賊に殺されたミカサと出会った。
“ 早く帰ろうぜ。オレ達の家に ”
父と、ミカサと三人での生活。
決して豊かではない。
しかし、幸せだった。
だが、ある日。
父は忽然と姿を消した。
最後に覚えている父の姿は、泣いていた。
そして、歪んだメガネと、引き千切られた衣服・・・
“ 力の使い方は彼らの記憶が教えてくれるだろう ”
唯一覚えている、父の言葉。
その“力”が何を示すのか、エレンには分からない。
寒い、寒い日のことだった。