【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第1章 Vuelie 〜語り継がれる愛〜
パキパキと冷たい音をたてながら凍りついていくダンスホール。
暗く、寒く、重苦しい恐怖が少年の肩にのしかかっていく。
「レオノア・・・目を開けろ・・・」
レオノアの体温がまるで死人のようだ。
それが自分のせいであることは明白だったが、リヴァイにはどうしようもなかった。
誰か・・・誰でもいい、レオノアを助けて・・・!
助けを求め、何度も声を張り上げていると、氷の洞窟のような部屋にドアを叩く音が響いた。
「リヴァイ!」
凍てついたドアの向こうから父の声。
おそらくこの氷と雪のせいで開かないのだろう、数人の召使が体当たりをする音が聞こえてくる。
数分後、ついに蝶番が外れ、勢いよくドアが開いた。
そして、寝衣姿の父と母が飛び込んでくる。
室内だというのに、肌を刺すような寒さ。
肺の中までピリリと冷たい空気が入り、吐く息が真っ白な色に変わる。
とても現実とは思えない惨状のダンスホールに、父と母は言葉を失った。