第2章 出会い
歩いてみて分かったことは、どうやらここは私が知らない場所だということだ
都会の雑踏とした感じはまるでない
田舎ーーそれも明らかに文明が追い付いてないような所だった
それに先程から、誰にも出くわさない
半壊した建物から察するに、もうここに生きた人間は居ないのだろう
そして気になるのは、この匂いだ
血の匂い
どこに言ってもうっすらと混じって漂っている
ここはどこなんだ?
再度溜め息を吐き出そうとした時
前方から砂煙に紛れた何かが、此方に近付いてきていた
あれはーー?
眼を細め、何かを確認する
徐々にはっきりしてくるそれは、馬のように思えた
微かだが蹄の音もする
その馬には誰かが乗っている様だった
人だ、人が居る!
「おーいー!!」
両手をあげ、馬に向かって手を振ってみる
気付いているのか、いないのか、定かではないが
馬の群れは確実に私の方に向かって走ってきていた