第5章 お仕事
ハンジの後を追って、ついた先は林の中
ハンジに聞くと、ここは調査兵団が訓練するときに使う、訓練場らしい
ハンジは、ちょっと待っててねっと私に言い残し、小さな小屋に入って行った
暫く待つと、ハンジは両手に立体起動装置を持っている
「お待たせー、じゃ、これをサーヤちゃんに取り付けるね」
そう言うと、ハンジは器用に私に立体起動装置を取り付け始めた
この装置を見るのは、二度目だ
始めてみたのは、壁外でリヴァイに出会った時
彼の両足に付いていたそれが、今私の両足に取り付けられている
思ったより重量がある
ハンジは取り付けながら、丁寧に操作方法を教えてくれた
「……はい、取り付け完了!」
ニコニコしながら私に言うと、ハンジは林の中の一本の木を指差した
「じゃ、あの木まで行ってみようか」
ハンジの指先の木を確認すると、私はこくりと頷いた
えっと……まず、この刃の持ち手についているトリガーを引いて、アンカーを目的の場所に刺す
それから、ガスを使いつつ軌道を描きながら、目的の場所に到達する……っと
頭の中で復習して、私は目標目掛けてトリガーを引いた
刹那、勢いを付けてアンカーが飛び出すと、目的の木に刺さる
それを感覚で把握して、ガスを使い軌道を描いて、目標の木に到達した
あ、案外……簡単だったな……
失敗すると思っていたが、予想以上に上手に使いこなせたので、内心呆気にとられた
それにしても……、私の身体、こんなに軽かったっけ?
アンカーに引き寄せられた自分の質量に疑問を抱きながらも、そのままハンジの元へと戻った