第2章 出会い
「ん………っ……」
優しい風、暖かな陽射し、草の匂い
どれくらい時間が経ったのだろう
眼を開けると、雲一つない青い空が広がっていた
上体を起こして辺りを見回す
身体は痛くない、傷一つ着いていない
天国ー?かと一瞬思ったが、私のようなものが天国に行けるはずがないと思ったし、何より目の前に広がる景色がそうでないと物語る
想像していた天国とは明らかに違う
文明が崩壊した跡のような……
半壊した建物とそれらを覆う草木
そんな景色が目の前に広がっている
そして、わずかに漂う血肉の匂い
「どこ……?ここ……?」
私の呟きに応える者は居ない
はぁ……と溜め息を一つ溢した
どうやら、また死ねなかったようだ
死にたいくせに、死にたくて堪らないくせに
無様に生にしがみついてる自分
私は身体に付いた砂埃を払いのけると、目的もなく歩きだした