第4章 新しい生活
その部屋は、とても綺麗にされていた
白いシーツのベット
私の部屋より大きめな机には、大量の書類が整頓されて置かれている
脱ぎ散らかした物や、置きっぱなしの物はない
ただただ、綺麗な空間だった
「おい、勝手に入るんじゃねぇ」
感心してる私の横でリヴァイが言う
声に釣られて、リヴァイを見ると、いつの間にか頭には三角布巾を被り、身体にはエプロンを着けている
右手にはバケツと雑巾、左手には箒が握られている
そのいで立ちに思わず笑いそうになる
先程まで部下に慕われ、鋭い眼光を放っていた男が、掃除夫の様な格好をしているのだ
笑っちゃだめ……笑っちゃだめ……
緩んだ頬を両手で押さえる
「ここは、リヴァイさんの部屋なんですか?」
気を紛らわせようと、話題を振ってみる
「あぁ、だから、勝手に入るんじゃねぇ」
「す、すみません……」
そんな格好のリヴァイに凄まれても、あまり迫力はない
だが、話がややこしくなるのも嫌なので、素直に謝った
「サーヤよ、始めるぞ」
「は、はい!」
初めて名前を呼ばれた
なんだか、くすぐったい……
普通なら近寄り難い筈なのに、リヴァイと居ると妙に安心出来た
彼の言動に、慣れてきてる自分が居る
不思議だ
この気持ちは……なんなんだろう?