第4章 新しい生活
「ここだ」
リヴァイが足を止めた先は、エルヴィンが居た部屋と似たような扉の前だった
ここは宿舎……なのだろう
先程まで居た場所と比べ、今は人気がない
それでも、廊下で何人かとすれ違うと、皆必ずリヴァイに挨拶をしていた
その度にリヴァイは、あぁと軽く返事をするだけで、すたすたと歩みを止めない
流石、兵長様だ
どれだけ凄いのかは、わからないが、すれ違う度に、切望と尊厳を抱いた視線を、各々リヴァイに向けていたら、私でもリヴァイは凄い人なのだとわかる
「入れ」
短く言われ、リヴァイについて部屋に入った
簡素なベットに、お粗末な机と椅子
上々とは言えないが、無いよりましだ
リヴァイはそのまま一直線に中まで進むと、慣れた様子で窓を開けた
途端、見えなかった埃が日に照らされ、キラキラと宙を舞う
あ……意外に汚い
「……汚ねぇ、おい!掃除するぞ」
「えっ?」
「え?じゃ、ねぇ……。隣の部屋がこんな汚ねぇとは、予想外だ」
隣の部屋………?
私の疑問に答える前に、リヴァイはそれだけ言い残すと、一度部屋を出た
慌ててリヴァイを追うと、直ぐ左側の扉に入っていく
もしかして、リヴァイは隣に住んでるんだろうか?
その疑問を解消すべく、リヴァイが入っていった部屋を軽くノックすると、ゆっくりと扉を開けた