第4章 新しい生活
ーー全く嫌な役を押し付けられた
後ろからついてくるサーヤを感じながらリヴァイは思った
もっと適任が居るだろう
そう思いペトラの顔がふっと浮かぶ
ペトラなら適任だ
だが、エルヴィンから直々に言われたのだ
彼女に押し付けることも出来まい
はぁ、と心の中で溜め息を一つ溢す
チラッとサーヤの方を見る
黒い髪に黒い瞳、東洋の血が混ざっているのだろうか
顔はいくらか……いや、だいぶ整っている
俺の目線に気付いたのか、サーヤと目が合った
ドキッと心臓の音がなり、急激に体温の上昇を感じる
なんだ……これは?
言い様のない気持ちが沸き上がり、疑問を抱く
この気持ちは……覚えがある
いや、とうに忘れていた気持ちだ
いやいや、っと首をふる
そんな筈はない
こんな小娘に、それもこんな得体の知れない奴に、抱く感情ではない
「リヴァイ……さん?」
先程まで後ろにいたサーヤが、不思議そうにこちらを見ていた
どうやら俺はいつの間にか、歩みを止めていたらしい
「どうかしました?」
小首を傾げ、不安そうにしている
揺れる黒髪が、色香を放つ
どきりと、更に胸が鳴った
「なんでもねぇ」
ぶっきらぼうに言い放つと、止まっていた足を再び動かした