第3章 一緒
「なるほど……では、サーヤは別の世界から来た……と」
「はい……突拍子もないですが……」
ふむっとエルヴィンは唸る
それもそうだ
彼等からしてみたら、いきなり壁の外に見たこともないような服を身に纏った女が現れ、話をしてみたら、巨人もこの世界の事も知らない
そして別の世界から来たと述べている
理解……し難いだろう
現にリヴァイの眉間には皺が寄っており、エルヴィンも困ったように首を傾げている
沈黙が部屋を支配する
「私にはサーヤが、嘘をついてるようには見えない」
沈黙を破ったのはエルヴィンだった
リヴァイがその鋭い眼光をエルヴィンに向けた
エルヴィンはその眼差しを受けても怯まない
それどころか、私に笑顔を向ける
そこで初めて気付いた
あぁ、リヴァイは睨んでるわけじゃなく、そういう風貌なのだと
「サーヤ、君はどうしたい?」
「どうって……」
言われても、どうすることが出来るのだろう?
とりあえず、元の世界じゃないと分かった以上、私には頼れる人はいない
衣食住を確保しなきゃならない
死にたいと願っていた筈なのに、気付けばどうやってこの世界で生きて行くかを、考えてる自分がいた