第6章 悪戯好きの君 《黒バス 黄瀬》
それから、俺は何となく星楽っちを避けるようになった。
俺と一緒にいるところを見られると、星楽っちが
また怪我してしまうかもしれないから。
____こうして避けるようになってから二週間がたった。
はぁ…正直、二週間も星楽っちとまともに話さないのは
ツライっスよー…
俺は屋上でため息をついていた。
あ、ちなみに今日は青峰っちは居なくて、俺1人ッスよ。
すると、ガチャっと、ドアが開く音がした。俺は、青峰っちかと思って
振り返ってみると……
なんと、そこに居たのは星楽っちだった。
黄瀬「え、星楽っち……?」
星楽「おお、黄瀬。なんか久しぶりだな。」
俺は焦りと嬉しさが混じって、心臓が壊れそうな程
バクバクと鳴っていた。
ああ、二週間ぶりにこんなに近くで見るな……。
俺はぼーっと星楽っちに見とれていると、星楽が口を開いた。
星楽「…あのさ、黄瀬は私が怪我したことを気にしてんの?」
黄瀬「えっ…」
俺は図星だったため、思わず焦ってしまった。
星楽「はぁー、前も言ったけどさ、あれは黄瀬のせいじゃないんだよ?
それより、約束の一ヶ月はあと、一週間しかないよ~?」
そう言った星楽っちは悪戯っぽく笑った。
その笑い方も久しぶりに見たな…。
けど、やっぱり……
黄瀬「俺が星楽っちを好きでいると、星楽っちに迷惑かける事に
なるじゃないッスか…それなら、俺が星楽っちを諦めないと……」
星楽「なーに、言ってんの?そんな弱々しい事いっちゃって
私を、惚れさせてくれるんじゃなかったの?」
そう言って、俺の方を見て笑った。
黄瀬「で、でもっ…」
星楽「期待しとく、って言ったでしょ?」
もう、本当に敵わないッスよ……
黄瀬「っ、そんなに言うなら、絶対あと一週間で惚れさせてみせるッスよ!」
そう言うと彼女は悪戯っぽくクスッと笑った。
俺は、また悪戯な君に溺れていく___
《END》