第4章 前の席 《イナGO 霧野》
次の日、一時間目、二時間目、三時間目、と普通に授業は過ぎていった。
なんだ、全然普通じゃないか。心配して損した。
私はホッと肩を下ろした。
あと四時間目の今を乗り切れば昼休みだ!
それに、今は私の得意な数学!いつ当たっても大丈夫。
今日のお弁当のおかず何かな?
そんなことを考えていたら___
恐れていた事が起きた____
霧野「なあ、ここの問題ってどうやって解くんだ?」
うわぁぁぁあああ!!!き、霧野君が振り向いた!
女子様からの視線が痛い…。
とりあえず早く前を向いて欲しいので、
星楽「そ、それは方程式に代入して解くんだよ。」
と、早口で答えた。
ああもう、答えたんだから早く前を向いてよ!
なんで隣の子に聞かなかったんだよ!
すると霧野君は、
霧野「ん?方程式って言っても、どこにどれを代入するんだ?」
と、更に私の顔ヘ近づいて尋ねてきた。
わぁぁああ!その整った顔を私に近づけないで!!
ってゆーか早く前を向いてよ!
女子様からの視線が更に鋭くなったじゃんか!
星楽「だから、Xにそこの12を代入して、yに6を代入して求めるの!」
私はおもいっきりノートに書いて説明した。
もちろん早口&素早い動作で。
そうすると霧野君も理解したようで、
霧野「なるほど、そういうことか!サンキュ、美月!」
そう言って眩しい笑顔をこちらへ向け、ようやく前を向いた。
思わずその笑顔を見て、私の胸が音をたてた。
……イケメンの笑顔は凶器だ。