第4章 前の席 《イナGO 霧野》
月に1度の席替えがあった。
私は、窓側の1番後ろの席になった。
普通に嬉しかった。
隣の席の人はいなくて、なんだか一人の空間みたいだけど
まあ、いっか。
そして、前の席の人は___
霧野「えっと…後ろの席は美月か。よろしくな。」
星楽「うん、よろしく。」
そう、霧野君だ。
霧野君はサッカー部で、凄くモテる。
誰にでもフレンドリーだし、さりげなく優しいからだろう。
私も嫌いなわけではないが、面と向かって話した事はない。
なぜなら、女子からの視線が怖いから。
女子の友達関係はドロドロだし、めんどくさい。
だから私は極力目立たないようにして過ごしてきた。
霧野君ともあまり話さないようにしてきた。
なのに、前の席が霧野君だなんて、関わる確率が増えるじゃないか!!
私のこれまでの努力が………
さっきはとりあえず、よろしくっと言ったが、
正直よろしくしたくない。
ああ、どうか霧野君があんまり後ろを振り向きませんように。
極力関わる事がありませんように。
これからの一ヶ月、
私の学校生活はどうなるのだろうか____