第2章 鈍感な君を振り向かせる方法 《ハイキュー 影山》
星楽「失礼しまーす。」
そう言って保健室のドアを開けた。
返事は返って来なかった。
星楽「えッ!?保健の先生どこ行ったの!?」
影山「あ、今日は出張みたいっすよ。」
影山君は、保健室のドアに掛かった“出張中”の文字が書いてあるカードを、
指差しして言った。
星楽「うっそー!?…じゃあ、私がやるしかないかぁ…」
影山「っ、スミマセン。」
星楽「いや、気にしないで!怪我するのはしょうがないし、
練習を頑張ってる証拠だもんね!」
影山「ぁ、あざス。」
な、何か緊張するな、保健室って…。
それに、テーピング苦手なんだよなぁ…。
上手くできるかな?
星楽「じゃあ、まず冷やさないといけないから…保冷剤で冷やして!
はいっ、保冷剤!」
影山「ゥス。」
影山君が指を冷やしている間に、テーピングとガーゼを探す。
あっ、あった!
影山「あの…よく気づきましたね。俺が突き指してるって。」
星楽「えッ?うん。だって影山君、薬指使わないでトスしてたでしょ?」
影山「そうスか‥‥自分でも気がつかなかった‥デス。」
星楽「そうなの!?ダメだよ~自分を大事にしなきゃ!」
って今思ったけど、これじゃ私が影山君をずっと見てたってこと
バレちゃうじゃん!
…あ、影山君て凄い鈍感だから大丈夫か。
影山「それって俺をずっと見てくれてたってことですか?」
星楽「エェ!?あ、いや、そのー、えーと、う、うん…。ご、ゴメン!」
う、嘘!?なんで!?影山君って鈍感なハズじゃ…
影山「いや、嬉しいっす。星楽さんが俺を見てくれてて。」
そう言って影山君は優しく笑った。
な、何その表情!かっこよすぎでしょっ!
顔が赤くなっているのが自分でもわかる。
影山「どーしたんですか?星楽さん?」
そう言って影山君は私の顔を覗きこんだ。
は、反則でしょッ!それーーー!!