第3章 初めてのブラッディ(大石秀一郎)
『お腹…痛い…』
『もう少しだから頑張れ。』
なんとか歩けるようだが今にも倒れてしまいそうだ。
正直、こんな弱っているは初めて見た。
はさっきから痛い痛い言いながら
腹部を押さえている。
だがその押さえている部分がかなり下だ。
多分おへその下ぐらい。
やっぱりアレなんじゃないか…?
もしそうなら早く処置を施さないと…
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『すいません、先生!!』
勢い良く保健室の戸を開く。だが運悪く先生は不在だった。
『クッ…こんな時に…』
『!!とりあえずこれを持ってトイレへ行くんだ!!』
俺は保健室の棚から無我夢中でアレを探し出し、
に渡した。
『なに…?これ。』
『そ、それは…』
『あら、そこのお二人さん、保健室に用?』
アレの説明を問われて困っていた所に救世主が現れた。
『先生!!』
『…?ああ、そういうこと。』
保健室の先生は二人の様子を見るなり納得したようだ。
『後は私に任せて。君は授業に戻りなさい。』
先生はそれだけ言い、を連れて保健室から出て行った。
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『大石ごめんね~心配かけて。』
三時間目の授業が終わって俺は保健室に駆け込んだ。
はベッドに入ってけろりとしていた。
『…もう大丈夫なのか…?』
『うん、薬飲んで寝てたら痛みは引いたよ!』
『そうか…』
『なんかねー、先生に"せいり"だって言われたよ。
毎月来るんだって!』
ああ…やっぱりそうだったのか…
というかその単語を男子の前で口にするのはどうなのか。
『病気じゃないんだって!よかったー!』
は心底嬉しそうに笑っていた。
良かった…いつものだ。
『俺も…が無事で良かったよ…』
『えへへ…助けてくれてありがとね、大石!!』
は元気いっぱいピースした。
『あ、ところでさ、何で大石は"せいり"の事知ってたの?
男の子にはないらしいけど。』
『え!?…ああ…えーと…それはだな…』
俺が言葉に詰まっていたら本日二度目の救世主、先生が現れた。
『ほらほら、もう平気なら教室に帰った帰った。』
『はーい。』
た、助かった…いつかが生理に関して
困った事があった時のため…なんて言えない。