第3章 初めてのブラッディ(大石秀一郎)
●初めてのブラッディ(大石秀一郎)●
『………』
今日の朝からの様子がおかしい…
というのは俺と同じクラスかつ、
家が近所の幼馴染の女子だ。
いつも明るく、落ち着きがなくて危なっかしい、
放っておけない妹的存在だ。
そんないつもうるさいほど明るいだが
今日は元気がなく、口数も少ない。
『、どうかしたのか?』
隣の席でうつ伏せになっている名無しに話しかけてみる。
『あぁ…大石…なんか朝からお腹痛くてさ…
変なものでも食べたかな…』
むくりと身体を起こしたはかなり顔色が悪かった。
『拾い食いでもしたのか…?』
のことだから拾い食いぐらいしたっておかしくない。
『…してない。』
そう言うとはまた机に突っ伏してしまった。
それと同時に二時間目の授業開始のチャイムが鳴ったので、俺は速やかに席に着いた。
授業が始まるとは机から教科書やらノートやらを
机の上に出し、下を向いたまま一時間を過ごした。
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授業が終わるなり俺はあまりにも具合が悪そうなを
保健室に連れて行こうと声を掛けた。
『、そんなにつらいなら保健室に…』
『………』
俺が全て言い終える前には
勢い良く立ち上がり教室を後にした。
『なんだ…自分で保健室に行ったのか…?』
そう思っているとあっという間にが教室に戻ってきた。
『…大石…』
戻ってきたの表情は青ざめていて
この世の終わりのような顔をしていた。
『どうしたんだ…そんな深刻そうな顔して…』
『私…病気かも…死ぬかも。』
そう言うとはその場に崩れるように座り込んでしまった。
『…な…!?一体何があったんだ!?』
『…さっきトイレ行ったら…血が出てた…』
『…え…それって…』
『…私、死ぬんだ…この謎の腹痛で…』
『とりあえず保健室行くぞ!立てるか?』
『え…でも次の授業は…?』
『そんな事言ってる場合か!』
授業の事なんか気にするガラじゃないくせに…
きっと俺の事を心配してくれたんだろう。
自分だって相当きついくせに…