第10章 COMPLEX!-貧の場合-(入江奏多)
その時、奏多の眼鏡が怪しく光った気がした。
でもこの際、手段は選んでられないよね。
『どうしたら大きくなるの!?』
『こうするんだよ。』
ふにっ
『うぎゃあ!!!!何すんの!!』
奏多が何の躊躇いもなく、正面から私の胸を鷲掴みにした。
『ほら、揉むと大きくなるって言うじゃん。』
『いやそれ、間違った知識だから!!
テレビで言ってたもん!!』
『え~、ダメ?』
『ダメ!!』
…っていうかていうか…奏多に胸揉まれた…しかもあっさりと…
こういうことはもっといい雰囲気で…って私何言ってんだー!!
私が部屋の隅でわなわなと震えていると、
『。』
『…な、なによぉ…』
『はそのままが一番可愛いよ。』
『………』
『胸が小さくたって名無しは充分魅力的だから。』
『……嘘。』
『本当だよ、むしろ小さい方が可愛いんじゃないかなぁ。』
『……奏多ぁ…』
奏多の優しい言葉に目頭が熱くなった。
だが、それも一瞬----
『それに、育て甲斐があるしね。』
『…』
私、奏多のこういうたまに見せる
黒いところが少し苦手です。
*後日談*
『あれ…なんか少し大きくなってるかも…』
『昨日、僕が揉んであげたからでしょ?なんなら今日も…』
『調子に乗るなぁあぁ!!』
私が巨乳になる日もそんなに遠くないかも?