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【合同企画】 その駅の名は

第1章 無人駅


「その可能性はある。が、限りなく低い。僕達が乗った電車の終点は確か大阪だ。それに途中で路線が分かれることもなかったはずだ。なのに車内アナウンスはここが終点だと言っていた。矛盾点が多過ぎる」

赤司の説明を受けても、葉山は今一つ理解できずにいるらしい。だが、自分達が置かれている状況がおかしなものであることは理解した。根武谷はそれすら理解することを放棄したのか、また一つ大きな欠伸をして言った。

「結局のところ、何でオレ達がここにいるのかわかんねえってことだろ?だったら考えてもムダじゃねぇのか?」

「あんたはまた実も蓋も無いことを…」

ベンチへどっかりと腰を下ろした根武谷に実渕は呆れた視線を送った。だが赤司はどうやら違ったらしい。根武谷の方を見て少し表情を緩めながら言う。

「永吉の言う通りかもしれないな。どうしてここへ来てしまったのかより、これからどうするのかを考えた方がいい」

「どうするかってどうするの征ちゃん。まさかここで野宿とか言わないわよね?」
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