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【合同企画】 その駅の名は

第1章 無人駅


キョロキョロと辺りを見回していた葉山が何かを見つけて叫ぶ。

「赤司ー!あそこ何か看板がある。駅の名前とか時刻表とかあるかもよ!」

見れば改札口から少し離れたところに看板らしきものがある。遠目ではよくわからないが、何か書いてあるようだ。その上には電球が一つ点いており、横にはベンチもある。

「とりあえず行ってみようぜ。屋根もあるし灯りもある方がいいだろ」

根武谷の提案ももっともなので皆移動することにした。赤司は思案顔で一番後ろを歩いていた。

看板の近くまでやって来ると、それが駅名の看板であることが判明した。少しかすれているものの、きさらぎと読める。一つ前の駅はかたす、次の駅はやみというらしい。

「……おかしいな。僕達が乗った電車の沿線にはこんな名前の駅は無い」

先程からずっと思案顔だった赤司の表情が険しいものへと変わる。

「どういうこと…?それじゃ知らない内に別の路線に移ったってこと?」

実渕はその意味をすぐに理解したが、葉山と根武谷はよく理解できていないらしい。よくわからないという表情を浮かべたまま赤司と実渕を見ていた。
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