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【合同企画】 その駅の名は

第1章 無人駅


「ねーねー赤司、ここってドコ?」

葉山小太郎は見知らぬ風景に興味深々である。キョロキョロと周りを見渡しながら、赤司征十郎に訊ねる。その姿はまるで遊び場の前で足止めされている仔犬のようだ。

「見たこと無いわね、こんな駅」

葉山とは違い用心深く辺りを見回しながら実渕玲央がつぶやく。今日乗った電車の沿線に、こんな寂れた無人駅があるとは聞いたことが無い。もしかしたらかなり遠くまで来てしまったのではないかと心中穏やかではないが、冷静さは失われていない。

「どこでもいーじゃねーか。とりあえず反対側の電車が来たら乗りゃいいだけのことだろ」

大きな欠伸をしながら根武谷永吉は、さして気にも止めず歩き出そうとした。それを赤司が止める。

「待つんだ永吉。これを見ろ」

赤司が差し出したスマートフォンは圏外表示が出ていた。

「さっきから電話もメールもできないでいる。お前達の携帯はどうだ?」

三人が各々自分の携帯を確認するが、やはり圏外のようで電話もメールも繋がらない。SNSもダメなようだ。ナビアプリも何故か起動しない。
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