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【合同企画】 その駅の名は

第4章 五人目


「一つ目ってことは次もあるってことか?」

「んで、次は何?」

「……二つ目は、彼だ」

赤司が指し示した先には黛がいた。黛は薄く笑っているように見えた。

「僕の質問に答えろ。お前は何者だ」

「ちょっと待て赤司、何者って一体どうした⁉︎」

「そーだよ赤司、黛サンじゃん」

「どういうことなの征ちゃん⁉︎」

赤司の問い掛けを突拍子の無いものに感じて三人は口々に彼に向けて声を上げた。黛は何も答えない。三人を目で制し、再び赤司は黛に対峙する。

「この駅に降り立ってからトンネルに入るまで僕と玲央と小太郎と永吉、四人しかいなかった。だがトンネルを出る頃にはまるで初めからいたかのようにお前が加わっていた」

三人が顔を見合わせる。黛はやはり何も答えない。

「あまりの違和感の無さにこの僕でさえ最初は気づかなかったんだ。只者ではないということはわかっている。答えろ、お前は何者だ」

赤司の態度からこれが冗談ではないと察した三人の表情が険しいものへと変わる。それに相反するかのように黛はさも愉快そうに口角を上げた。

「結構上手く化けたと思っていたんだけど、見抜けるヤツがいるとはね」

声が黛のものから、小さな子供の声と低い男の声を重ねたようなものへと変わる。黛の姿をしたモノが三日月のように目を細め冷たく刺すような笑顔を四人に向けた時、またチリンと鈴の鳴るような音が聞こえた。














バリン














黛の姿をしたモノの身体に、小石を投げつけられた鏡のようなヒビが入る。
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