第4章 五人目
駅まで無事辿り着くと、またベンチの元へと全員が集まる。気のせいか駅を出る前より灯りが弱くなっているようだ。黛のいる辺りは少し影になっている。
「全員無事のようだな」
赤司が再度確認すると、皆一様に頷いた。赤司の表情は険しいままだ。
「それで一体どうしたっていうの征ちゃん」
この場にいる者全員を代表するかのように実渕が尋ねる。それに答える赤司は険しい表情のまま全員を見渡した。
「明らかな超常現象が立て続けに起きたんだ。僕は一番安全だと思われる場所に移動しただけだ」
「超常現象⁉︎」
赤司の口から出た意外な言葉に、全員の言葉が同調した。だがその表情は様々だ。驚く者、呆れる者、困惑する者。ただ一人黛だけはその表情を伺い知ることはできなかった。