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【合同企画】 その駅の名は

第2章 コンビニへ


等間隔に並ぶ電柱に電球がついているだけの街灯の下を早足で通り過ぎていく。変わりばえのしない景色にどれほど進んだのかもわからなくなってきた頃、葉山が一本の電柱にプレートが付いていることに気がついた。

「赤司ー!この電柱だけなんか書いてある。んーと……ギュウトウ?ウシアタマ?」

「牛の頭と書いてゴズと読むんだ小太郎。このあたりの地名のようだが…これだけでは情報が足りないな。とりあえずコンビニへ急ごう」

更に進みぽつりぽつりと民家が見えだすと、実渕が辺りをキョロキョロと伺いだした。

「どうした玲央」

「気のせいかもしれないけど……何か鈴の鳴るような音が聞こえたの」

耳をすませば幽かにチリンチリンと鈴の鳴るような音がする。

「どっかの家の風鈴とかじゃね?」

さして気にも留めない様子の根武谷に、またも呆れた声で実渕は言う。

「風鈴ってのは夏のものでしょうが。こんな秋真っ只中になっても出してる家なんてないわよ」

「オレん家の近所には一年中出してる家があったぞ」

「……あんたの家なんじゃないの?風情も何もあったもんじゃないわね」
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