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【合同企画】 その駅の名は

第2章 コンビニへ


街燈の下には一面に彼岸花が咲いている。さながら赤い絨毯である。その光景を見て赤司は眉根を寄せた。

「おかしいな……」

「どしたの赤司?」

葉山が尋ねると少し考えながら赤司は答えた。

「もう10月も下旬なのにこんなに彼岸花が咲いているんだ。お前達はおかしいと思わないのか?」

「そういえばそうね。しかも満開っていうのもおかしいわね」

「あ?なんでこの花が咲いてるとおかしいんだよ?」

同意する実渕に根武谷が何のことだかわからない、という視線を向ける。葉山も意味がわからず赤司と実渕を交互に見ていた。

「彼岸花っていうのは名前の通りお彼岸、つまり秋分の日前後に咲くものなのよ。だから本来ならとっくの昔に枯れてなきゃいけない花なの。それがこんな一面に満開で咲いてるのはおかしいってこと」

わかった?と、子供に言い聞かせるように説明する実渕。赤司の表情が険しくなる。

「少し急いだ方がよさそうだな。それと周囲の状況には細心の注意を払え。何かあったらすぐに報告しろ」

「気にし過ぎじゃね?赤司ってば」

「あんたたちが気にしなさ過ぎなの」

今一つ状況を把握できていない葉山と根武谷に、実渕は一つ溜息をついて赤司を見る。

「それじゃ行きましょうか、征ちゃん」

「ああ、皆気をつけるようにな」

赤司を先頭に四人は歩き出す。緩く吹いた風に乗って、チリンと鈴の鳴るような音がしたのには誰も気づかなかった。
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