第3章 さりげない優しさ
「あ、涼太!こっちこっちー!」
馴染みのある声が
奥から聞こえてきた。
あれ?もう一人、もう帰ったのかな?
「はじめまして、黄瀬くん」
「うわぁ!?
ちょ、驚かさないでよ!」
男は背後からきた。
トイレにでもいってたのだろうか。
それにしてもなんつーか…
失礼だけど、影が薄い。
まったく気配も感じなかった。
「涼太、この子が黒子テツヤくん!
帝光中バスケ部の一軍レギュラー
幻の6人目として有名なんだよ~」
「よろしくお願いします、黄瀬くん。
僕、そんなに有名じゃないですよ」
どうやら彼は謙虚な性格らしい。
でも、こんなに小さいのに
バスケなんてできるのか!?
みたところ妹とさほど変わらない。