第3章 さりげない優しさ
「わかった!
そのテツくんって人にも
あいさつしなきゃなんないからね~」
「ありがとう、涼太
ラーメン屋さんで待ってるね」
ピッ。
私は電話を切った。
「テツくん、ごめんね、
なんか、涼太、寂しがり屋で…」
「いいえ、大丈夫ですよ
仲いいんですね
僕ひとりっ子だから羨ましいです」
そう言ってテツくんははにかんだ。
「でも涼太は普通の
お兄ちゃんに比べて優しいと思う
何でもできるけど、
私のこといつも考えてくれるから
テツくん部活で涼太のこと
面倒みてあげてね」
「はい」
そう言って私達はラーメンを頼んだ。
テツくんはしょうゆ、
私はみそ。
ふたりで食べるラーメンは
より一層温かかった。