第12章 心の拠り所
…好きになった?
俺はその言葉を聞くと
扉を開こうと
扉にかけていた手を下ろした。
「なんでだよ?」
「だって今日だってわざと軽く
ぶつかったら、ごめんねっ!
って焦っててそれがもう堪んなくて…」
その言葉を聞いた時、
俺は扉を豪快に開けた。
「許さないっスよ」
「うわ!黄瀬兄いたのかよ!
今の聞いてた!?」
「まるぎこえっス」
そういって俺は微笑んだ。
「…っ、黄瀬兄こえぇよ!
その笑い!」
「なんでっスか?
じゃぁ涼音のことは諦めてね」
「わ、わかった、わかったから!
笑うなー!」