第9章 渡さねぇよ
「あーゆーのオッドアイって
言うんだろね!綺麗な眼だよ」
「ちょっと怖ぇけどな」
ぷっと涼音は笑い出した。
「なんで笑うんだよ」
「いや、なんか青峰くんが
怖いってゆったらなんか
おかしくて…」
クスクスと笑っている彼女は
夕陽に照らされてとても綺麗だった。
とくん、胸騒ぎがする。
それから俺はこいつと
他愛もない話をしながら練習した。
「また入った!すごい!
青峰くん、絶対すごい選手になるよ」
俺がシュート決めるたんび、
こいつはすごいって俺を褒める。
まぁ、悪くねぇ。
褒められるのは…
「ったりめぇだ」
パンっ。手に馴染んだボール。
ゴールに向かって投げると入る。
また決まった!とこいつは驚いている。
「俺、バスケ大好きなんだからよ」
そういって俺はこいつに笑った。