第8章 最初で最後の楽しい思い出
涼音SIDE
そんなこんなで赤司くんは
私と大輝と涼太と遊ぶことになった。
「ってゆかー、おまえパーカー脱げよ」
さっきまで腰を抱いていた
逞しい左腕は今度はパーカーを
脱がそうとしている。
「…っ、ちょ、大輝、みんなみて…」
「うっせー、早くみたいんだよ」
そう言ってパーカーのファスナーを
下ろそうとする大輝。
「ちょ、ちょっとまって!
自分で脱ぐから!」
「ほぉー?」
ニヤニヤと笑いながら
大輝はぱっと手を離した。
恥ずかしい…けど…
さつきがくれた言葉。
大ちゃんはセクシーなのが好きなのよ
さつきのセンスを信じよう…
私は思い切ってファスナーを下げた。