第8章 最初で最後の楽しい思い出
「おい涼音!」
青峰…。
また彼女をとっていく。
でも彼女の幸せを願うならば
俺がひくしかない。
「ひゃぁ!」
青峰の声が彼女の耳に入ると
彼女は急いで海に頭以外の
身体を沈めた。
あ、そうか…
「赤司くん?」
「着ておけ
俺はパラソルに戻る」
俺は自分が着ていた
防水加工がされてあるパーカーを
彼女に羽織らせた。
「ありがとう
でも赤司くんも一緒に泳ごう?」
「そーだぜ、逃げんなよ
強えーのはコート上だけかよ」
そう言って青峰は俺に見せつけるように
彼女の腰を抱いた。
まぁ、一度くらい…
付き合ってやってもいい。