第6章 策略//緑間夢
他のメンバーと駅で別れ、(黄瀬と青峰はまだギャーギャー言っていたが)真奈美と二人で電車に乗る。
運良く座ることが出来、俺の肩に頭を預けてきた真奈美に、先程買っておいたミネラルウォーターを渡す。
「ありがとう。ほんとごめんね、…うーん飲みすぎちゃった…」
頭を起こしミネラルウォーターを一口飲むと、眠い…とまた肩に頭を預けてくる。
「無防備すぎるのだよ…」
先程から、胸が高鳴って仕方ない。
小さくため息を着くと、彼女は小さく寝息を立てていた。
30分程電車に揺られていると、次が彼女の駅であることがアナウンスされた。
「もう着くぞ」
「う、うん…」
俺に起こされ、彼女は目を擦りながら目を開ける。
家まで無事辿り着けるのか不安だな…。
「仕方ないから、家まで送ってやるのだよ」
「…そんな悪いよ…」
と言いつつ立ち上がると、フラつく彼女を支える。
「いいのだよ、俺は歩いて帰れる距離だ」
「うん…ありがと…」
まだ眠いのか体を俺に預けながら、俯きながらなおも目を擦っている。
二人でホームに下り、改札を出て彼女の家に向かった。
場所は徒歩5分ほどらしい。
二人でしばらく住宅街を歩くと、綺麗そうなマンションに辿り着いた。
「ここだな」
「うん…」
彼女の部屋は3階で、一人暮らしをしているらしい。
部屋まで送ってやるか…。
鍵を開けさせ、部屋に入ると、可愛らしいピンクのカーテンや家具が並んでいた。
まだ顔の赤い彼女をソファに座らせ、水を飲ませる。
彼女は水を飲むと、俺の手を引っ張り隣に座らせた。
「…どうしたのだよ」
「…私ね、ずっと緑間くんのこと好きだったの」
突然の告白に俺は戸惑う。自分の鼓動がうるさい。
すぐ冷静を装った。
「…酔った勢いで言っているのか」
「そうかも…。えへへ、困らせてごめんね、送ってくれてありがとう」
そう言うと彼女は掴んでいた手を離し、水をもう一口飲んだ。
「本当に無防備だな…」
「え…」
彼女が持っていた水を取り上げ、目の前の机に置くと、彼女に覆い被さるように押し倒す。