第6章 策略//緑間夢
黄「真奈美っち久しぶりっすー!最近遊んでくんないじゃないっすかぁー。俺寂しいっすよー」
青「はぁ⁈黄瀬てめー真奈美と2人で会ってんのか⁈」
「たまに会うんだよね、お互い暇だと。最近ちょっと忙しかったんだぁーごめんごめん」
黄「今度また二人で遊び行こうっす!」
青「おいおい、じゃぁ俺とも行くぞ!真奈美!」
「あ、うんいいよー」
真奈美は二人と仲がいいのだな。
軽い嫉妬心が芽生える。
その後、三人は酒のピッチを上げていき、黄瀬と青峰が彼女に日本酒を一気させていた。
顔を真っ赤にさせた真奈美が「もう無理だよー」と俺の後ろに隠れるように移動する。
俺の肩に手を置きうずくまると、首筋に熱い吐息を感じた。
黄「あー!緑間っちずるいっす!真奈美っちを返して欲しいっす!」
青「そうだぞ緑間!真奈美に触るんじゃねえ!」
二人とも先程まで競うかのごとく飲み続けていたためか、(いつものことか?)強い口調で俺に指を指してくる。
緑「もうやめるのだよ。お前ら飲み過ぎなのだよ」
桃「あっちょっと!真奈美飲ませすぎ!大丈夫?」
赤「そろそろお開きの時間のようだな」
赤司の言葉に時計を見ると、既に11時半を指していた。
黒「真奈美さん大丈夫ですか?帰れますか?」
黄「真奈美っちはこれから俺と二次会っすよー!」
桃「こんなに飲ませといて、絶対ダメ!」
紫「誰か真奈美ちん送ってってあげなよー。俺家反対方向だから無理だけど」
青「俺が!」
黄「俺が送るっす!」
桃「この二人に送らせたら真奈美襲われちゃう!絶対ダメ!」
黒「緑間くん、真奈美さんと家同じ方向でしたよね?」
そういえば、最寄り駅は一駅しか違わないらしいといつか聞いたな。
緑「…わかったのだよ。ほら、立つのだよ真奈美。帰るぞ」
俺の背中にもたれかかっていた、虚ろな目をした真奈美を抱き上げ、立ち上がらせる。
黄瀬と青峰がギャーギャーうるさかったが、フラつく真奈美の腰に手を回しながら、ゆっくり歩き出す。
「ごめんね、緑間くん、迷惑かけて」
真っ赤な顔した真奈美が、申し訳なさそうに呟く。
「いや、これは黄瀬と青峰が悪いのだよ。だが、お前も断るということを学べ」
「うん、気をつける」