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黒子のバスケ夢 短編集(一章完結)

第6章 策略//緑間夢


「手を掴んでソファに座らされたと思ったら、潤んだ目で告白されて…普通の男ならここで襲っていてもおかしくないのだよ」


彼女は突然のこの状況に驚きつつも、ふふっと笑う。
何がおかしいと問うと、彼女は微笑みながら口を開く。
細くなった潤んだ目が、俺を見つめる。


「緑間くんは絶対そんなことしないでしょ」


それに、と彼女は続ける。


「緑間くんになら、何されてもいいよ」


「お前…」


俺の理性が音を立てて崩れるのが聞こえた。
鼓動が高鳴り、抑えきれない。

俺は目の前にある彼女の柔らかそうな唇に口付ける。



「えっ…」


本当に何もされないと思っていたのだろうか、彼女が目を見開く。




「どうなっても知らないのだよ」


















翌日。






目を覚ますと、隣には寝息を立てて寝ている彼女。
彼女を起こさないように、頬を撫でる。


「おはようなのだよ」

小さな声で言ったつもりだったが、「ん…」と彼女がゆっくり目を覚ます。


「っ!」


目の前にいる俺を見て、昨日のことを思い出したのか、布団を目下まで被り、目線だけ俺と合わせ、慌てる。



「き、昨日はごめんなさいっ」


「…なぜ謝るのだよ」


「酔った勢いで…色々…ほんとごめんなさいっ」


「…酔うとお前は誰とでもこうするのか?」


「ちっ違うよっ!いくら酔っても、部屋まで送ってもらったことなんか一回もないよっ…緑間くんだから…」


思い切り首を横に振り、否定する彼女。
彼女は無防備すぎる。おそらく、俺でなくても…。


「もう二度と、黄瀬や青峰と一緒に飲むな。あいつらは危険すぎる。…俺が言えたことではないが…」



可愛らしい彼女に、自分も理性が抑えられなかったのは事実だ。



「ううん、緑間くんは悪くないよ。…私もちょっと期待してたりしたから…これからは気をつけるね」




「…お前は…本当に俺でいいのか?これから俺も忙しくなる。あまり構ってやることは出来ないのだよ」


「それって…私と付き合ってくれるってこと…?」


「順番が逆になってしまって申し訳ないのだが…」


「…嬉しい…」


涙目で布団にうずくまったままの彼女を抱きしめ、額にそっと見守ってキスをした。










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end
→おまけ+あとがき
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