第6章 策略//緑間夢
キセキの世代と呼ばれた俺たちも、もう大学四年であり、大半があと一カ月で卒業、就職となる。
俺は医学部に通っているため、あと二年あるが、これから研修や国家資格の取得に忙しくなる。
これから全員が揃うことも稀有だろうと、同窓会が開かれることとなった。
夜の街は賑わっており、人を避けながら前へ進む。
時間丁度に指定された居酒屋に着く。
「久しぶりなのだよ」
そこには既に、赤司や紫原、黒子、桃井が揃っていた。
俺も適当に空いている席に座る。
桃「あとは、きーちゃんとだいちゃんと、真奈美だけだよ!」
紫「中学時代の一軍同期が全員集合するってわけね〜」
桃「ちなみにきーちゃんはモデルの仕事で遅れるけど、絶対来るって言ってたよ!」
赤「大輝の遅刻はいつも通りだね」
黒「真奈美さんはまだですか?」
桃「もうすぐだと思うんだけど…」
「あ、みんな久しぶりだね!」
桃「あ、真奈美遅いよー」
「ごめんごめん」
真奈美は空いていた俺の隣に座る。
赤「じゃぁ、とりあえずあとの2人は遅くなるだろうし、先に始めようか」
揃った6人でとりあえずビールを頼み、
赤「では、久々の再会に乾杯」
「「乾杯ー」」
互いのジョッキをぶつけ合い、一口飲む。
そして、各々談笑を始めた。
俺は、隣にいる真奈美と。
「真奈美は卒業したら、就職するのか?」
「うん、そうだよー。営業事務するの」
「そうか。大変そうだな」
「いやいや、緑間くんの方が大変でしょー。あと2年したらお医者さんなんだもんね!」
すごいねー!とビールを口にする彼女。
「2年経っても研修医なのだよ。何もすごくなどない」
「まず医学部に入れるだけでもすごい!尊敬する!」
久々に会った彼女は、とても綺麗になっていた。
隣でニコニコと微笑む彼女に、自然と頬が緩んだ。
全員が何杯か飲んで、ほろ酔いになってきた時、
黄「遅くなったっすー!!」
青「おー、揃ってんな」
と、最後の2人が到着した。
赤「じゃぁ、全員揃ったところでとりあえず乾杯しておこうか」
「「「乾杯」」」