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黒子のバスケ夢 短編集(一章完結)

第1章 アンラッキーアイテム//緑間


「し、真ちゃん!何やってんのほんと!ごめんねーうちの真ちゃんが!大丈夫?」



「あ…はい」




高尾が突然後ろから現れ、なぜか代わりに事情を話し出す。






「おは朝占いって知ってるっしょ?それのラッキーアイテムを、真ちゃんってば毎日チェックして持ってくんだよねー。で、今日は日傘だったらしくてさ!俺も注意したんだ「うるさいのだよ!高尾」」







高尾の話を遮り、前に出る。





「…だが、本当にすまなかった。俺の不注意だ。申し訳ない。何か詫びでも出来ればいいのだが…」






「えっお詫びなんかいりません。私こそすみませんでした!怪我も無いし、全然大丈夫です。じゃぁ、失礼します」







「あっ待つのだよ!」









彼女は軽く頭を下げ、急ぎ足で去って行った。
名前もわからなくては、詫びも何も出来ない。









ラッキーアイテムが引き起こしたアンラッキーな出来事に、かなりショックを受けた俺は、彼女が去る後ろ姿を呆然と見つめていた。







「真ちゃん〜ほら言わんこっちゃない。岬ちゃん
優しくて良かったね。もう傘は仕舞っておきなよ〜」






「…岬とは誰なのだよ」







「え、岬ちゃん知らないの?!同じ学年だし、結構有名じゃん〜。俺もあんま話したことないけど、超優しくて可愛いから、男子からめっちゃ人気らしいし」








同じ学年だったのか…。
それなら、また話せる機会があるかもしれない。







「…ん?」








ふと足元を見ると、ピンクのハンカチが落ちていた。








「あー!それ岬ちゃんのじゃん。真ちゃん届けてあげなよ、二組にいたはずだから。お詫びも兼ねてさ!俺先に教室戻ってっからね」







「わかったのだよ」






ハンカチを広い、二組の教室へ歩く。

幸い、まだ朝礼まで時間がある。

日傘はカバンの中に仕舞い、ハンカチを右手に持つ。








やはり、おは朝占い最下位の日は良いことがない…。








二組の教室に着くと、先程の岬という彼女を探した。
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