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黒子のバスケ夢 短編集(一章完結)

第4章 独占欲///赤司夢


部活も終わり、自宅へ帰る準備をしていると、礼央が話しかけてきた。


「ねぇねぇ誠ちゃんは、やっぱりあの子のこと好きなの?水くさいじゃない教えなさいよ」




全く、懲りないな礼央実渕も…。




「そんなことを聞いてどうするんだ」



「どうするって、応援するわよ!ワタシに出来ることがあったら何でも言って!」




「別に出来ることもないし、何かしてもらうつもりもないよ。とりあえず、言いふらさないでくれ」




「あら、寂しいわぁ〜。じゃぁ、何かあったら言ってね!」




実渕は支度が終わったらしく、「じゃぁね〜」と言って更衣室を出て行った。



確かに、彼女をオレのものにしたいと思っていることは事実だ。

ただ、そんなに急いているわけではない。






帰り道、何となく毎朝彼女と話す公園に行ってみた。

公園は薄暗く、誰もいない。

近くのベンチに腰掛ける。






…いるわけがないのに。






また、明日になれば会えるのはわかっている。
なのに、なぜオレはここに来てしまったんだろう。







少しでも、会いたいと思っている自分がいる。







「オレはバカだな…」



自傷気味に独り言を言う。
もう10月に入り、肌寒さを感じたため、帰ろうと立ち上がった。





「赤司さん…?」




聞き覚えのある声に頭を上げる。

そこには、愛犬ラッキーを連れた愛しい彼女。





「部活の帰りですか?」



いつもの柔らかい笑みに心が温かくなる。






あぁ、いつの間に、こんなに…







「そう。…君を待ってたんだよ」





「…え?」






「オレの、恋人になってはくれないだろうか」







「え…えぇ?」



彼女は周りを見渡し、自分しかいないことを確認する。
信じられない、といった表情だ。





「嫌かい?」





「い、いえ、まさか…。私なんかでいいんですか?」






「君でないと…真奈美でないとダメなんだ。いつも、会えるのを楽しみにしていた。…でも、もうそれだけじゃ足りないんだ」




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