第4章 独占欲///赤司夢
「…私も毎朝、楽しみにしてました。今までも、夜のお散歩の時、この公園に来てみたりして。いるはずないのに」
えへへ、と照れながら笑う彼女が愛おしい。
オレは彼女に近づき、そっと抱き締める。
ラッキーも毎朝会っていたせいか、オレに懐いているので鳴きもしない。
「あ、赤司さん…」
「ずっと、真奈美に触れたかった」
肌寒いせいか、彼女の温かさが際立つ。
「オレは、真奈美を独り占めしたいんだ。ずっと、オレを見ていて欲しい。自分がこんなに独占欲が強いだなんて、知らなかったよ」
実渕の一言が気になって仕方ない。
きっと実渕以外にも、あわよくばと思っている輩は山ほどいるだろう。
…絶対に渡すつもりなんかない。
「誠十郎と呼んでくれ」
「せ…誠十郎さん…」
名前を呼ばれただけで、こんなにも心が温かくなる。
オレは微笑んで、彼女の頭を撫でる。
「明日から、一緒に登校しよう」
「え…あ、はい」
真奈美が誰のものか、校内中に知らしめないといけないからね。
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end
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