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黒子のバスケ夢 短編集(一章完結)

第3章 可愛い君へ//氷室夢


「なんで、そう思うんだい…?」






「だって、氷室先輩が私に告白とか…考えられません」






「真奈美が信じてくれるまで何度でも言うけど、俺は本気だよ。真奈美が好きなんだ」






彼女の顔が怪訝な表情から次第に困った表情になっていく。
俺はゆっくりと彼女の元へ近づいていく。



「え…あの…」




彼女は俺が近づくと、その分後ずさる。
俺はどんどん距離を縮めていき、とうとう彼女を壁際まで追い詰めた。




「ねぇ、真奈美はどうしてそんなに俺を嫌がるの?」





彼女の顔の横の壁に手をつく。
お互いの息を感じるほど顔を近づけると、彼女の顔が微かに赤くなる。





「こんなに近づいたら、すぐキス出来ちゃうね」





俯いた彼女の顎をくいっと上げさせ、目を合わせさせる。
彼女の大きな目に、吸い込まれそうだ…。






「可愛い…。真奈美を俺だけのものにしたい。俺だけを見ていて欲しい。そう思うのは、真奈美だけだよ」






「や、やめてください…」




更に顔を赤くさせ、弱々しく首を振る。





「俺の本気、伝わった?」



「つ、伝わりましたから…離れて…」



「嫌だね」



「え…」



離したら、もう近づけない気がした。
優しく彼女を抱きしめ、耳元で囁く。




「俺の彼女になってくれる?」







「…………はい」






「…いい子だね」




俺は彼女の額に口付けし、ニッコリと微笑む。
彼女はまだ俯いたまま、顔を上げようとしない。




「…一つ、お願いがあります…」


「…ん?なんだい?」



「あんまり、私に近づかないで下さい…」





思わぬ彼女のお願いが理解出来ず、え?と拍子抜けした声を上げた。




「どういうことかな?」




「は、恥ずかしくて死にそうです。氷室先輩って、すごくいい匂いがするし、なんだかクラクラします。だから、あんまり近づいて欲しくない…です」





真っ赤な顔して何を言うのかと思ったら…。





「それは出来ない相談だな」




再び彼女の顎に手をやり、頭を上げさせる。
今度は唇に軽くキスをすると、彼女は驚いた顔をしながら、口元を両手で隠すように覆った。
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