• テキストサイズ

黒子のバスケ夢 短編集(一章完結)

第3章 可愛い君へ//氷室夢


確かに、真奈美は綺麗というよりは小さくて可愛らしいタイプで、いつも幼く見られると前に気にしていた。


「関係はないけどさ〜、でも真奈美ちん室ちんに興味なさそうじゃん」




ぐっ…

敦は何気なく言ったのだろうが、俺の傷口に塩を塗る言葉だ。



「室ちんのこと狙ってる女いっぱいいんじゃん。そんなに真奈美ちんにこだわる必要なくない〜?」





「…男を狙うような女に興味ないんだよ」





どうしてこんなに彼女が気になって仕方ないのか。
自分でもよく分かっていない。

俺が気になり始める前までは、彼女も話しかければ笑顔で答えてくれたのに…今となっては…。





「真奈美ちん、室ちんにからかわれてると思ってんじゃない〜?」






「…え?からかってなんかいないよ」





「俺は分かってるけどさ〜。真奈美ちんは、あんま自分に自信ないみたいだし〜。室ちんモテるから、からかわれてると思ってても不思議じゃないかな〜って」







そんなこと思ってもみなかった。
思えば今まで、自分から女性にアプローチしたことなんてなかった。



「敦、感謝するよ。今から、本気だってことを伝えてくる」




俺は急いで着替えを済まし、彼女の元へ向かった。

どうか、まだ帰ってませんように。




体育館を見回すと、最後の片付けを終えて帰ろうとしていた彼女を見つけた。




「真奈美!」



急いで呼び止めると、やはり怪訝な顔をされる。




「まだ何か用ですか」





俺は荒い息を整え、考えた。


彼女に、本気を伝えるにはどうしたらいいのだろう。
また、俺に飛び切りの笑顔を見せて欲しい。
君の笑顔を見るだけで、心が癒されるんだ。







「…俺は、真奈美が好きなんだよ」









一瞬驚いた表情になった後、「はぁ…」とため息をつかれる。








「氷室先輩。…その告白は、罰ゲームか何かですか?」






敦の予想は当たっていた。
本当にからかわれてると思っていたのか…。
/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp